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「妊娠線って、本当にケアしないといけないの?」

妊娠中にふと心に浮かぶこの疑問。

お腹が少しずつ大きくなるにつれて、雑誌やSNSで目にする“妊娠線対策・予防”の言葉に、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、妊婦さんが安心して過ごせるようなヒントをお届けしたいと思います。

妊娠線妊娠線のしくみと対策の基本

妊娠線とは何か?――妊娠中の体に起こる変化を理解する

妊娠線は、妊娠中に急激な体の変化によって皮膚に現れる線状の痕で、
医学的には「皮膚線条(striaegravidarum)」と呼ばれます。

妊婦さんのお腹や胸、太ももやお尻など、皮膚が短期間で大きく引き伸ばされる部位に出やすいのが特徴です。

皮膚は大きく分けて「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層から成り立っています。

妊娠線は、表面の表皮ではなく、その奥にある真皮の線維が急激な伸びに耐えられず裂けることで生じます。

初期には赤紫色やピンク色の線として目立ちますが、時間の経過とともに白っぽくなり、痕のように残ることもあります。

妊娠線ができること自体は病気ではなく、妊娠に伴う自然な変化の一つです。

妊娠中はホルモンバランスの変化によって皮膚の柔軟性や水分保持力が低下しやすくなり、皮膚が伸びるスピードに追いつけなくなることも要因のひとつとされています。

また、妊娠線ができるかどうかは個人差が大きく、体質や遺伝的な要因も関わります。

母親や姉妹に妊娠線が出やすい人がいる場合、自分も出やすい傾向があるといわれています。

逆に、同じように妊娠していても妊娠線がほとんど出ない人もいます。

妊娠線は「できてしまったら失敗」ではなく、赤ちゃんを迎えるために体が適応している証拠です。医学的にも自然な現象として理解されており、妊婦さんが安心して受け止められるように説明されることが増えています。

妊娠線ができるのはなぜ?――皮膚の構造と急激な体型変化の関係

妊娠線ができる背景には、いくつかの要因が複雑に関わっています。主な要因は以下の通りです。

1)皮膚の急激な伸び
妊娠中はお腹や胸が短期間で大きくなるため、皮膚が急激に引き伸ばされます。表皮はある程度伸びても、奥にある真皮の線維は限界を超えると裂けてしまい、その結果として妊娠線が現れます。

2)ホルモンの影響
妊娠中はホルモンバランスが大きく変化します。特に副腎皮質ホルモンなどの影響で皮膚の柔軟性や水分保持力が低下しやすくなり、皮膚が伸びるスピードに追いつけなくなることがあります。これが妊娠線を出やすくする一因です。

3)生活習慣や体重増加
急激な体重増加や栄養バランスの乱れは皮膚への負担を大きくします。逆に、ゆるやかな体重管理やバランスの良い食事を心がけることで、皮膚の状態を整え、妊娠線の出方をある程度和らげることができます。
さらに、妊娠線の有無には 体質や遺伝的要因 も強く影響します。母親や姉妹に妊娠線が出やすい人がいる場合、自分も出やすい傾向があるといわれています。
つまり、妊娠線は「努力不足」ではなく、個人差の大きい自然な現象なのです。

妊娠線対策とは――予防とケアのために知っておきたい基本習慣

妊娠線を防ぐための方法は、今も多くの情報や商品として紹介されています。

クリームやオイル、ジェルなど「妊娠線予防」をうたう製品は数多くありますが、医学的に完全に防げる方法は確立されていません。

臨床の現場でも、妊娠線の有無は体質や遺伝の影響が大きく、ケアの有無だけで決まるものではないとされています。

その中で注目すべきなのは、やはり 保湿の重要性 です。

保湿を続けることで皮膚の柔軟性を保ち、乾燥によるかゆみや不快感を減らすことができます。妊娠線そのものをゼロにすることは難しくても、肌を健やかに保つためのケアとして保湿は有効です。

厚生労働省が公表している「小児のアレルギー疾患 保健指導の手引き」などの資料でも、保湿は乾燥肌を改善し、肌トラブルの予防につながる基本的なケアであると示されています。

これは乳児や小児のスキンケアに関する指針ですが、妊娠中の母体の皮膚ケアにも通じる考え方です。

つまり、保湿は「妊娠線予防」というよりも「肌を健やかに保ち、快適に過ごすための基本的な習慣」と位置づけられているのです。

安心して妊娠生活を送るための大切なケアとして、保湿を取り入れることが推奨されています。

毎日の保湿は「妊娠線をなくすため」ではなく「自分の体をいたわるため」の時間。

保湿を継続することで、肌の乾燥やつっぱりなどの肌トラブルを解消し、肌を柔らかく柔軟に保ってくれます。

『保湿する』という一番シンプルな方法が、妊娠線そのものの予防につながるだけでなく、かゆみやつっぱりといった身体的な不快感を和らげ、さらに“妊娠線と向き合う心のバランス”を支えることにもつながります

妊娠線ケアの核心:経験者が教える保湿の力

今回は「妊娠線対策は本当に必要なのか?」というテーマを中心に、皮膚科・美容皮膚科で看護師としての経験を持ち、マタニティ・赤ちゃん向けのスキンケア「care.te.a dear baby」をプロデュースした大島絵美さんとのリアル対談をお届けします。

元看護師であり、1児の母でもある大島さんに、「母と子の健やかな毎日を支えるためのスキンケアのあり方」に
ついて語っていただきました。

ママが抱える肌の悩みとは――乾燥・かゆみ・見た目の不安にどう向き合うか

記者(iconicコラムライター):
皮膚科の看護師として現場で様々な肌トラブルに悩む患者さんを見てきた大島さんの中で、印象に残っている妊婦さんの声やエピソードはありますか?

大島絵美さん:
私は皮膚科・美容皮膚科の看護師として、現場で多くの患者さんを見てきましたが、妊娠線に悩む方も本当に多いんです。

「ちゃんとケアしていないから出てしまったのでは?」と不安になる方もいますが、妊娠線は体質や遺伝の影響が大きく、必ずしも努力不足ではありません。
母として自分自身が妊娠を経験したときも、同じように妊娠線ができました。

そのときに感じたのは、妊娠線は“失敗”ではなく、赤ちゃんを迎えるために体が頑張っている証拠だということ。
時間が経てば色も薄くなり、目立たなくなっていきます。
もちろん、保湿を続けることはとても大切です。

保湿をすることで皮膚の柔軟性が保たれ、乾燥によるかゆみや不快感を減らすことができます。
妊娠線を完全に防ぐことは難しくても、肌を健やかに保つためのケアは、妊婦さん自身の安心にもつながります。

私は看護師の経験と母としての経験から、妊娠線を「恐れるもの」ではなく「母になる過程の自然な記録」として受け止めてほしいと思っています。
そして、毎日の保湿を“自分をいたわる時間”として楽しんでほしいんです。

本当に必要なケアとは?――経験者が語る“続けられる保湿習慣

記者:
ずばり、どんな妊娠線ケアがいいのでしょうか?大島さんの母としての経験を踏まえて、ぜひお聞きしたいです。

大島さん:
妊娠線を完全に防ぐことは難しいですが、妊婦さんにとって本当に必要なのは「安心して過ごせるためのケア」だと思います。

その中でも一番大切なのは、やはり毎日の保湿です。
保湿を続けることで皮膚の柔軟性が保たれ、乾燥によるかゆみや不快感を減らすことができます。

私自身も肌が痒くてつらい思いをしましたが、保湿を続けていくことで痒みがなくなったので、やはり乾燥していたんだと思います。
妊娠線そのものをゼロにすることはできなくても、肌を健やかに保つことは、妊婦さん自身の生活の快適さにつながります。

「妊娠線をなくすため」ではなく「自分の体をいたわるため」と考えると、気持ちもずっと楽になりますよ。
また、体重の増加をゆるやかにコントロールすることや、バランスの良い食事を心がけることも肌の状態を整える助けになります。

でも何よりも、毎日の保湿を“自分を大切にする時間”として楽しんでほしいんです。
妊娠線は母になる過程で刻まれる自然な記録。

だからこそ、ケアの目的は「防ぐこと」ではなく「心地よく過ごすこと」。
そのためにできる一番のケアが、保湿だと私は思っています。

自分の体をいたわる時間を楽しみながら、妊娠生活を過ごしてくださいね。

今回の対談者のご紹介

株式会社ミュール代表取締役
大島 絵美さん

ケアテア公式インスタグラム
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